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VMwareによる仮想化基盤に仮想iSCSIストレージ「Dell EqualLogic」を採用し、共有型ストレージサービスを提供

CLIENT
ほくでん情報テクノロジー株式会社 様
RELATED WORD
  • # エンタープライズ・ストレージ
  • # バックアップ・DR
  • # クラウド

北海道電力株式会社の情報システムの開発・運用を担う子会社として1991年に設立され、北海道電力グループのみならず、道内の企業や自治体に向けにインフラの構築からシステム・インテグレーション、運用保守まで、トータルに事業を展開する、ほくでん情報テクノロジー株式会社(以下、ほくでん情報テクノロジー)様。
同社のデータセンター事業部では、近年、クラウドコンピューティングへの対応や顧客に応じて柔軟に拡張できるストレージサービスのニーズが急増していました。そこでVMwareによる仮想化基盤を構築するとともに、「Dell EqualLogicシリーズ」を利用することで、新たに共有ストレージサービスの提供が実現しました。
その導入の背景と効果について、データセンター事業部の方々にお話を伺いました。

ハウジングを中心に地域に密着したきめ細かなサービスを展開するデータセンター事業「H-IX」

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(写真上)
ほくでん情報テクノロジー株式会社
データセンター事業部長

勢田 直成 氏


(写真下)
ほくでん情報テクノロジー株式会社
データセンター事業部 ソリューショングループ

苅間澤 保知 氏

北海道電力の情報システム子会社として、1991年に設立されたほくでん情報テクノロジー様。設立以来、北海道電力グループのみならず、道内の企業・自治体をじめ、首都圏の企業向けにITサービスを提供するなど、外販事業に積極的に取り組んでいます。中でも近年注力しているビジネスが「データセンター事業」です。

同社が運営する「H-IX(北海道インターネット・エクスチェンジ・データセンター)」では、高品質なコネクティビティの提供はもちろん、道内の複数ISPや主要IX(東京)との相互接続、通信会社が提供する光ネットワークとの連携を通して、北海道のIT集約拠点としての役割を担っています。さらに無停電電源・空調設備・耐震構造など信頼性の高いファシリティを基盤として「ハウジング」「ホスティング」「ストリーミング」「運用監視サービス」「セキュリティトータルサポートサービス」といった多彩なサービスメニューを取り揃えています。その特色について、データセンター事業部長の勢田氏は次のように語ります。

「ハウジングを中心として、中規模企業様向けに地域に密着したサービスを展開しています。大手事業者には行き届かない、お客様目線でのきめ細かなサービスの提供が特徴で、近年、需要が高まっているクラウドコンピューティングにも取り組みながら、ITを利用したお客様の効率化や事業拡大をトータルにサポートしています」

DRおよびBCP対策の需要に応えるため、仮想化iSCSIストレージを基盤とした共有ストレージサービスの構築に着手

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データセンター事業を運営していくにあたり、 いまや必然ともいえるクラウドコンピューティング化。顧客視点を基本とする同社は、独自のハイブリット型のクラウドサービスでニーズを満たしています。


同社の顧客の場合H-IX内で作業するケースがほとんどであり、ハウジングしているサーバーリソースに加えて、自由に外部リソースを利用したいという声が上がっていました。そうしたニーズに応えるため、H-IX内にハウジングされている顧客の物理リソースと、同社が用意する仮想化されたリソースをデータセンター内で相互接続可能な、ハイブリッド型のクラウドコンピューティングサービスの提供を開始しています。

そうした中、震災以降、首都圏から離れた北海道の地が注目され、DR(災害対策)やBCP(事業継続性)対策など、H-IXをバックアップサイトとして利用したいという案件が急増してきました。

データセンター事業部ソリューショングループの苅間澤氏は、次のように語ります。

「従来、クラウドサービスにあたっては、契約ごとにストレージを構築してきました。しかし、DRやBCPといったバックアップ案件では、容量500GB~1TB程度がほとんどで、ユーザーごとにそれぞれストレージを用意するには手間も掛かりますし、コスト的にも厳しい。こうした背景から、複数のユーザーで共有して使えるストレージサービスの提供が求められていたのです」

共有ストレージサービスの立ち上げにあたり、苅間澤氏は、その基盤となるストレージの検討に入りました。当初はFCストレージも考慮したといいますが、「価格と提供形態が難しくなる」との理由から、仮想化iSCSIストレージが最適であると判断。システム要件をまとめ、複数のベンダーに提案を依頼しました。

「Dell EqualLogic」を選択 KELの実績、きめ細かな提案が運用開始後の不安を払拭

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(写真上段)
ほくでん情報テクノロジー株式会社
データセンター事業部 iDC技術グループ 副課長

富永 睦 氏

(写真中段)
同 iDC技術グループ

藪 順二 氏

(写真下段)
同 iDC技術グループ

島田 和郎 氏

特に同社が要件として重視したのは「スケールアウトストレージ」「冗長化」「24時間365日稼動」といった拡張性、信頼性を備え、かつ「コストパフォーマンス」という点だったといいます。

そして複数のベンダーからの提案を比較検討した結果、同社が選択したのが、KELが提案したVMwareを用いたサーバー仮想化基盤の構築および、仮想化iSCSIストレージ「Dell EqualLogicシリーズ」を採用した共有ストレージサービス環境でした。

Dell EqualLogicシリーズが持つ、①オールインワン機能により初期導入コストを抑制できる、②柔軟に拡張可能な共有ストレージ基盤の構築が可能、③遠隔レプリケーションなど新サービスの創出を実現できる、といったメリットに加えて、Dell EqualLogic導入数は500台を超え、国内販売実績No.1を誇るKELの信頼性が評価されました。

そして何より決め手となったのは「KELのプレゼンテーションのわかりやすさ」だったと、データセンター事業部iDC技術グループ副課長の富永氏は言います。

「導入・構築段階においては、どのベンダーでも大差はないと思っています。我々、技術サイドから言えば、運用を始めてからの顧客サポートが一番のキーになってきます。その点、KELのプレゼンはわかりやすく、技術的な知識も豊富でした。これなら安心して任せられると。お客様のニーズも変化していくわけで、そうした時に技術的なサポートを提供してくれるだろうと十分に期待できるものでした」

さらに同技術グループの籔氏は語ります。

「実機を使ったデモはインパクトありました。我々もストレージサービスの運用は初めてでしたので不安がありました。そこを実機でひとつずつ説明してくれたので、運用のイメージが掴みやすく、不安も払拭してくれました」

管理画面についてもデモのおかげで、その操作性の良さを体験できたと同技術グループの島田氏は言います。

「我々、技術部門のスタッフだけでなく、弊社では運用監視部門のスタッフが操作する機会が多いため、使いやすい画面であることは必須でした。提案段階でその操作性を確認できたのは大きかったですね」




KELの提案により「遠隔レプリケーションサービス」を開始 KELとの協業によるビジネス拡大に期待

hokuden_img01.gif今回、VMwareによる仮想化環境構築および、「EqualLogic PS6100XV」と「EqualLogic PS6100E」の2台を導入し、共有ストレージサービスの基盤を構築しました。急遽、カットオーバーの時期が前倒しになり、旧モデルを一時的に導入することになったものの、Dell EqualLogicのスケールアウト型アーキテクチャにより、システムを停めずに本機へのデータ移行を行うことができたと言います。

「機能面・コスト面を見て、今回、非常にバランスの良い環境が整ったと思っています。よりお客様のニーズに沿った形でサービスをお選びいただけると思います。今後のサービス拡充によっては、Dell EqualLogicに備わっている自動階層化や負荷分散機能も有効になってくるはずです」(苅間澤氏)

現状、大きなトラブルもなく順調に稼動しており、運用面でもスムーズだと言います。万一のトラブル時においても地場に拠点があるKELの存在は大きいようです。富永氏は「メーカーの場合、営業拠点は地方にあるけれど、技術者は東京からの応援といったケースがあります。その点、KELは技術者がこの地域にいるので安心できます。しかもフットワークも軽いので心強い」と語ります。

現在、前述したハイブリッド型クラウドサービス、および共有ストレージサービスにおいて、Dell EqualLogicシリーズが活用され、契約者数も増えてきています。さらに今回、KELの提案により、新たなサービスメニューとして、DRやBCP対策用として、Dell EqualLogicをバックアップ先として提供する「遠隔レプリケーションサービス」をリリース。この遠隔レプリケーションサービスはKELが窓口となって事業化し、全国的に展開していくものです。

今後への期待について、最後に勢田氏がこう語ってくれました。

「これからも北海道のデータセンターとして、地域のお客様のニーズにしっかりとお応えするとともに、遠隔レプリケーションサービスをはじめ、首都圏や他の地域のお客様にも付加価値の高いサービスの提供に取り組んでいきます。今後もKELには良きビジネスパートナーとして、お客様のニーズに最適なソリューション提供をともに進めていければと思っています」

プロフィール紹介

社名 ほくでん情報テクノロジー株式会社 (http://www.hokuden-it.co.jp)
設立 1991年6月
社員数 433名(2012年6月1日現在)
本社所在地 札幌市中央区大通東3丁目4番地 e・i大通東ビル