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学校法人 法政大学様(導入事例)

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全学規模の授業支援システムをオープンソースで構築
世界的に評価の高い「Sakai」を活用し
日本語化とともに国内特有の機能も開発

欧米の主要な大学では、自ら構築した授業支援システムをオープンソースとして広く公開することが常識化しています。そうした中、米国スタンフォード大学、ミシガン大学、英国ケンブリッジ大学など世界トップクラスの大学がコミュニティを組織し、共同で開発・メンテナンスを実施している授業支援システム「Sakai」は、世界的に高い評価を得ています。

建学から130余年の歴史を刻む学校法人法政大学様(以下、法政大学様)は、全学規模の授業支援システムに「Sakai」を採用しました。さらにKELと共同で日本の大学固有の機能も開発。「Sakai2.7 日本語版」として完成させ、2011年4月から運用を開始しました。

システム構築の背景とその効果、今後の展望について、川上忠重教授、常盤祐司教授にお話を伺いました。


法政大学様 市ヶ谷キャンパス

積極的な教学改革に加え、情報化対応でも先進的な取り組み

1880年に創立した日本最古の私立法律専門学校 東京法学社を前身とする法政大学様は、建学からの「自由と進歩」の精神に基づき、自由な発想で考え、新しい問題に積極的にチャレンジする自立型人材を育成することを教育理念としています。その長い歴史の中でさまざまな教学改革に着手した結果、現在では15学部37学科・14大学院研究科・1インスティテュート・3専門職大学院を擁する日本屈指の総合大学となっています。

また、教育環境の情報化対応に関しても先進的な取り組みを行っています。1997年に高度情報ネットワークシステムを構築して以降、3~4年ごとにインフラの見直しと利用環境の高度化を推進。市ケ谷・小金井・多摩の全キャンパスでの無線LAN環境や情報コンセントの整備、総計約1,200台のPCの設置、さらに理工系学部では学生全員にノートPCの貸与を実施しています。

2010年10月からの新インフラ「net2010」では、ネットワークのさらなる増強やセキュリティ強化などを図りました。その後、安全・快適なインフラを生かしたアプリケーションの拡充・高度化にも注力。その1つとして、授業の品質向上・効率向上に欠かせない授業支援システムの刷新に取り組みました。

商用パッケージの運用課題を踏まえ オープンソースでのシステム更新に着手

法政大学様では、2002年頃から理工学部(当時は工学部)の教員が学科レベルで授業支援システムを使っていました。その利用価値を全学に広げ始めたのは2006年。商用パッケージでシステムを構築し、授業改善に関する調査・助言を行うFD(Faculty D evelopment)推進センターと情報メディアを活用した教育の推進・研究を行う情報メディア教育研究センターが両輪となって普及活動を展開しました。「その結果、約4年間で登録授業数約1万2,000科目、利用者数は教員約800名・学生約2万1,000名に達しました」と、FD推進センター センター長を務める理工学部 教授の川上忠重氏は話します。

しかしながら、種々の課題があったのも事実です。情報メディア教育研究センター 教授の常盤祐司氏は、「パイロット的に導入したシステムなので安定性やサポートに懸念がありました。また、商用パッケージゆえに必ずしもニーズに合致していたわけではありませんでした」と説明します。

授業支援システムの更新については、2009年から具体的な方向性などが議論されるようになりました。そして2010年1月、FD推進センターの学習・教育支援プロジェクトでの検討をもとに、学内に新たに新システム仕様検討委員会を設置して、「オープンソースソフトウェアで旧システムと同等の機能が提供できるもの」を前提とした仕様書を作成・公示しました。


(写真)法政大学 理工学部 教授
教育開発支援機構 FD推進センター
センター長
川上 忠重 氏

従来機能のカバーとともにクリッカーと携帯電話対応を追加で開発

入札にはベンダー3社が手をあげ、その中から「Sakai」を提案したKELが選ばれました。常盤氏によれば、KELは「Sakai」のみを用いたシステム、他の2社は2種類のオープンソースソフトウェアを組み合わせたハイブリッド型システムによる提案でした。

「Sakai」による新システムの構築は結果的に、学内におけるそれまでの取り組みを生かせることになりました。法政大学様では、IT研究センターが中心となり2005年からSakai Communityに参加し、実際の授業においても日米間の遠隔講義などで活用していたのです。

常盤氏は、「私自身も、毎年開催されるカンファレンスに出席するなどして動向を把握していましたし、ユーザーの立場で各種機能も理解していました」と話します。

  ベンダー決定後は、導入委員会を設けて、エンドユーザーの要求を吸い上げながら「Sakai」の日本語化や日本の大学の慣習などに合った機能開発を推進しました。ちなみにKELは、2010年12月に「Sakai」への商用サポートを行うため、日本初の企業会員としてSakai CommercialAffiliateに加盟し、法政大学様との共同作業に臨みました。

  旧システムで提供されていた機能は新規開発することなく本学独自の要件に合うように「Sakai」の機能を一部カスタマイズして実現しました。そのうえで、授業を受けた学生からアンケートや回答をリアルタイムに収集できるクリッカー機能の追加および携帯電話対応を付加価値として盛り込みました。

  こうして完成した「Sakai2.7 日本語版」は、2011年4月1日から運用が開始されました。


(写真)法政大学
情報メディア教育研究センター
教授
常盤 祐司 氏

使いやすさに高評価
ランニングコストも大幅削減

新しい授業支援システムは、FD推進センター内に設置された「運営委員会」の管理のもと、これまでシステムダウンや利用現場の混乱などもなく順調に稼働しています。

川上氏は、「学生達にシステムへの抵抗感はまったく見られません。課題提出や教員への質問、授業内容の確認等々で有効に利用しており、『授業が分かりやすくなる』『いろいろなコンテンツを提供してくれるので便利』『もっとシステムを活用してほしい』といった声も多く寄せられています」と話します。FD推進センターの役目である授業改善活動の観点では、新しい授業支援システムの効果が少なからず現れているようです。

もちろん、授業支援システムの副次的な狙いである授業の効率化=教員側のメリットも確実に得られています。「例えば、教材資料の印刷や配布の手間は、学生にシステムからのダウンロードを指示するだけで済むようになりました。

そのファイルのアップロードも、メール添付と同じような操作で簡単に行えます」と常盤氏は話します。川上氏も、エンドユーザーの視点で「最初は旧システムとの画面表示の違いに多少とまどいますが、一度使えば操作のしやすさが実感できます」と語ります。

新システムの導入効果としては、オープンソースを採用した狙いの1つであるコスト削減も忘れてはなりません。「商用ソフトウェアであれば経常的にライセンス料やサポート料がかかりますが、オープンソースソフトウェアであれば大学が機能追加などを望まなければ、それらの経費は一切かからないという安心感があります」(常盤氏)

隠れた機能の公開で利便性をさらに向上
他大学の導入による相乗効果にも期待

「新システム導入の初年度は、とにかく安定稼働させることを重視しました。次年度からは、実利用に基づく現場からの改善要求に対応すること、さらに新たな機能を順次公開していくことが大きな目標です」。常盤氏はこう語ります。

法政大学様が「Sakai」に盛り込んだ新機能は、今のところクリッカーと携帯電話対応だけですが、実は標準機能で未利用のものがまだまだあります。これまで従来機能にクリッカーと携帯電話対応を付加するのみにとどめてきたのは、「利用者側の混乱や運用を支援する側の負担増を避ける狙いがありました」(常盤氏)。
今後は、学習履歴を収集・蓄積できるeポートフォリオ機能「Sakai OSP」、グループでレポートなどのコンテンツ作成を可能にする「Sakai Wiki」、ブログやチャット、さらにはSakai Communityで開発が進んでいる「Sakai OAE」なども利用できるようにしていく考えです。
他方で、今回開発したシステムがオープンソースソフトウェアとして他の大学でも利用されていくことにも期待しています。常盤氏は、「当大学の授業の進め方に合わせて開発した機能は、恐らく日本の大学の多くで適用できるでしょう」と話します。また、川上氏は、「他の大学でも日本ならではの機能が開発されていけば、ソフトウェアの高度化をさらに進められます。こういうことが、大学の使命の1つである社会貢献にもなります」と強調します。
そして最後に、KELの取り組みについて、運用サポートにとどまらない評価ポイントを次のように語っています。「当大学のシステムでバグなどが見つかったとき、その改修に力を尽くしてくれるだけでなく、その成果をSakai Communityにもフィードバックしてくれています。これは、「Sakai」のさらなる進化・発展において、日本が世界に貢献するということでもあり、非常に重要な取り組みだと捉えています」(常盤氏)

Sakaiの利用イメージ

プロフィール紹介

社名学校法人 法政大学 (http://www.hosei.ac.jp/)
所在地■市ケ谷キャンパス
東京都千代田区富士見2-17-1
■小金井キャンパス
東京都小金井市梶野町3-7-2
■多摩キャンパス
東京都町田市相原町4342
設 立1880年4月
学部・学科数15学部・37学科
教員数専任教員746名
兼任教員2,374名(2011年5月1日現在)
学生数2万7,659名(2011年度)
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